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更新日 2016-04-03 | 作成日 2016-04-03


・問いの演劇 〜公演を終えて〜

作家が「サンプリング」と呼び、演出家が「批評」と言ったことばの中身は結局のところ「問うてみたかったのだ」と言うことだと思います。すでに正解のないことを知りながら、なお答えを求め続ける私たち。「何がしたかったのか」と言うことへの答え合わせは結局のところ「出口は自分で見つけるしかない」という民主主義の原則と、その恐怖に我々は突き当たるのだと思います。

またどこか、お伽の世界で会えることを願って・・・ムカシムカシ ノ オハナシヨ。


劇団うりんこ 平松隆之

キャスト
内田成信 越賀はなこ 丹羽美貴 高田博臣 牧野和彦 にいみひでお
藤本伸江 川原美奈子 花山ヨージロー(成瀬勝洋改め)
スタッフ
原作=太宰治 演出=三浦基(地点) 戯曲=永山智行(こふく劇場) 演出助手=佐久間晶子
舞台美術=杉山至+鴉屋 衣裳=ごとうゆうこ 照明・音響=四方あさお 音響オペ=新美豊
イラスト=よしながこうたく 宣伝美術=京(kyo.designworks) 制作=安形葉子 製作総指揮=平松隆之
日時
3月5日(金) 19:00☆永山智行氏のアフタートークあり
3月6日(土) 15:00 満席
3月6日(土) 19:00★三浦基氏のアフタートークあり
3月7日(日) 11:00
3月7日(日) 15:00
料金
一般 前売2800円 当日3300円
大学生以下 前売2300円 当日2800円
チケット取扱い
ローソンチケット Lコード=48616
チケットぴあ Pコード=400-371
劇団うりんこ052-772-1882 〈ネットで予約〉
お問い合わせ
劇団うりんこ 052−772−1882
主催=劇団うりんこ 後援=愛知県教育委員会 名古屋市教育委員会
公益信託キャンドル演劇奨励基金 助成作品

Interview

地点の代表/演出家の三浦さんとうりんことは今回が初めての出会いです。
この企画は実は2008年の秋から動き出していました。稽古に先立ち、師走にインタビューをしてきました。
今回のコラボレーションがどのようにして実現したのか、その一端をお聞かせします!

三浦基
1973年生まれ。京都市在住。演出家。1999年より2年間、文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在する。帰国後、代表をつとめる劇団「地点」の活動を本格化。2005年、東京から京都へ活動拠点を移す。同年『かもめ』(作:A・チェーホフ)にて利賀演出家コンクール優秀賞受賞。2007年より、<地点によるチェーホフ四大戯曲連続上演>に取り組み、シリーズ第3作『桜の園』で文化庁芸術祭賞新人賞受賞。2008年度京都市芸術文化特別奨励者。

地点の代表/演出家の三浦さんは今回うりんことは初めての出会いです。
この企画は実は一昨年の秋から動き出していました。公演に先立ち、昨年にインタビューをしてきましたので、紹介させていただきます。

―こんにちは。今日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

―まずはじめに。最初お会いしたときはうりんこのことは全くご存じなかったと思うのですが、そんな謎の集団が訪ねてきたわけですよね(笑)。
私は忘れもしないんですけど最初、京都の某スタバで待ち合わせをして。三浦さんは金沢からの帰りでタクシーで来られたんです。実は僕らも時間に遅れそうで、どうしようと思ってたら、すぐあとに来られたのでホッとして(笑)。
それで、普段外の仕事とかは受けたりしないほうなんですか?

でも京都でやってたときはずっとプロデュース公演の依頼でしたからね、独立して移ってくるまでは。

―あ!そういえばそうですね。

で、独立してからは当然劇団の活動をフル活動させますから。それで単純に時間がないってことと、固定したメンバーでやるのがメインの仕事ですから。
だから、外から来た仕事を最初から断るって決めていたってことはないんじゃないかな。
どちらかというと話が来なかっただけなんですよね。たぶん、周りにそういう風に見られてるって事ですかね。地点ていうのは強固な劇団制で、外の仕事なんてしないとか、あるいは三浦の演出なんかオモシロクナイ(笑)っていうイメージがあるんでしょうね。オペラの仕事とかもしてるんですけど、その時もよく話しかけてきたなって気持ちだったので、うりんこのときもどういうこと?とは思いましたけど。

―知らないモノの強みでした(笑)。

僕に子ども劇ってどういうことってね(笑)。そういう意味での意外性はありましたね。

―それで何度か会わせてもらって、何をやるのかとか作家がどうのとか色々あったわけですけど。でもその段階ではまだ俳優に会ってもなくてですね。そんなとき何が一番の決断の要因になったんでしょうか。

やろうと思った理由?

―そうです。迷っているときから覚悟というか踏ん切りというかしょうがないなーって。

実は、断ろうと思ってたんですよ(笑)。というか断るだろうと。それはやりたいという気持ちを持つ方がおかしいだろうと普通なら思うでしょ。ただ、興味はあったんです。それはオペラに興味があることと同じで、なんでもできるってどこかで思ってるところはあるんですね。何でも自分が演劇にしてやろうって気持ちは、気概と言っていいと思うんだけど、あるんです。で、その中で子ども劇って言われて、知らないけど何か知ってる、みたいな。そういうことで、「やりたい」と言うと嘘ですけど、興味がないと言えばこれまた嘘になる。
一方で、単純に劇団(地点)のこととか時期のこととかありましたし、無理してやるほどのことでもないなとも思ってたんです。だから、断ろうと思っていたんですけど、みなさんがあまりに熱心で、大勢で交渉に来るから、だから・・・人情ですね(笑)。

―もう、こちらとしては子ども劇に興味があるって言われたそこだけを頼りにこじ開けたというか(笑)。あとはお伽草紙ですかね。

もちろん。オペラのときもそうでしたけど、『流刑地にて』をしたときも以前にカフカという作家自体は扱ったことがありましたし、太宰ももちろんリストに入っていましたから。そのうち劇化したいという思いが前々からあったということです。そこが合致しなければダメだったのかも。けど、まあ今回の話は・・・押しきられたって感じですかね。正直に言うと。
でも、やるとなったらいつもの通りですから。これはまじめでもなんでもないんだけど、演劇っていうものは人と人とがつくるものですから。僕がうりんこの人達、あるいは永山さんという人とこういう関係性をとるということが、一番のフィクションのはずで、後はもう現場でコツコツと仕事をするしかないので、太宰治のお伽草紙をやるということは僕にとってはノンフィクションなんですね。作品がフィクションなのではなくて、出会いや座組みがすでに演劇を立ち上げていると思いますから、まあ、今回は人情ですよ。人情座組み。

―いい言葉ですね。

僕はそう言うのは非常に大事にしますから、これでも。

―企画した身からすると、今はマッドサイエンティストの気分なんです。色んなモノを引っ張ってきて掛け合わせたものがどうなるか巨大な実験をしているようで。だからこの化学実験が爆発するのか、世にも素晴らしいものになるのかを見るのがとても楽しみで。でも、これは自身の期待を裏切らないだろうという勝手な科学者の確信みたいなものもあるんです。これは不思議な感覚ですね。早く稽古が見たい、早く本番が見たい、みたいな。

先日、うりんこの俳優達とワークショップ兼オーディションをしたときに「ああ、俳優の集団だな」って思ったんですね。演出がいないでよく劇団やってるなって最初は思ったんですけど、あぁ、そういうことじゃないんだっていうか。僕は俳優の学校を出たって事もあるし、一番長い時間いっしょに仕事をするのは俳優ですから、その点では俳優の集団というのにはすごくいいイメージを持ってますね。純粋な実験がしやすい土壌なんじゃないかと期待してますね。

―同感です。これからの稽古、楽しみにしています。今日はありがとうございました。

ありがとうございました。

2009年12月6日 京都芸術センターにて